Shinji Enoki's blog

LibreOfficeの話題を中心にする予定です

2023年のLibreOfficeイベントを振り返る

LibreOfficeのイベントについてオフライン/オンラインを合わせて振り返ってみます。2023年は国内、グローバルともにオフラインでのイベントもだいぶ復活してきました。私が主催や参加したものだけでなく、できるだけどのようなイベントがあって、どんなことが行われたかをまとめます。この記事は、LibreOffice Technology Advent Calendar 2023の2日目です。1日目は田中さんの「Extension作成手順 9年前と変わっていないことを確認する」でした。

2015年2017年は振り返り記事を書いていたようです。

オープンソースカンファレンスTokyo/SpringでのLibreOfficeブース

国内イベントサマリー

TDFのWikiのイベント一覧から国内の種類ごとに数えてみます。開催予定を含めて合計70回でした。うちオフライン17回、オンライン53回です。

種類 内容 合計
LibreOffice Kaigi 年次会議、7月 1
オンライン勉強会 1月、5月、11月 3
Online Hackfest 毎週 #132-#180(予定4含む) 49(4)
OSSイベントへの出展・セミナー OSC東京春、OSC名古屋、OSC東京秋、KOF、OSC広島、OSC福岡(予定) 6(1)
LibreOfficeの日 #91-101、大阪 11(1)

国内での年次会議であるLibreOffice Kaigi(オンライン)が7月、オンライン勉強会は3回、毎週のオンラインハックフェストは49回(まだ45回で後4回の予定)、展示やセミナーが2020年から2022年まで0回だったのがいきなり6回に復活したのが大きな変化でした。オンラインになって2020年から毎週カジュアルにハックフェストをするようになったので回数だけみると多いようにみえます。

LibreOffice Kaigi 2023でのJitsiの集合写真

今年もオフライン勉強会は開催しませんでした。OSC福岡に合わせて九州LibreOffice勉強会を考えましたが、参加者が少なそうでうまく詰められてませんので、ごく少人数でミートアップするかもという感じです。また、BoDの選挙が現在候補者受付中で、日本向けのオンラインで候補者のインタビューミーティング(タウンミーティング)はするかもしれません。

オンラインハックフェストはほぼ毎週開催をキープしました。参加者で一緒にLibreOfficeコミュニティでのタスクの作業をしたり雑談して、ナレッジを共有したり、情報交換したりするイベントです。90分イベントですので、最も短時間で取り組める質問サイトのAskをチェックして回答を試みるのが定番です。時間があれば、UI/Helpの翻訳や査読か、Bugzillaで直近のバグ報告を再現確認するバグトリアージをすることが多いです。一時期参加者が減って私1人のこともありましたが、今年は概ね2人-4人でした。少しずつでも定期的に作業を進められること、ノウハウをシェアできるという点では一定の役割を果たせているので継続予定です。ただ同じようなことをしており、新規参加者もいないので、ナレッジのシェアの効果は限定的になっています。新しいJitsi meet + Youtube liveという型式ではハードルが高そうで、新しい人向け企画は別に考えてみたいです。

オンライン勉強会は、ユーザー同士の使い方などの情報共有と交流を目的としています。以前はオフラインで各地でしていましたが、コロナでオンライン化して今に至ります。コンテンツが発表者に依存してしまうので、発表者探しが一番の課題です。できそうな方がいれば相談するようにしています。また、LibreOfficeに限らずオンラインイベントが増え過ぎたこともあり、参加者は少なめになっています。事後に検索してアーカイブを視聴する方向で役立てられないかと考えています。

5月のLibreOffice勉強会の様子

LibreOfficeの日は、毎月オフラインで開催です。LibreOfficeについての使い方の相談を受けたり、LibreOfficeの情報交換したり、交流することが目的です。LibreOfficeコミュニティの人と話したり、別のコミュニティの人と知り合ったりが多いです。十三コワーキングで80回まで随分とお世話になっていましたが、一般向けのドロップインプランがなくなり、去年から大阪の淡路駅近くのコワーキングスペース金甘(ゲストハウス木雲の運営)でお世話になっています。また以前はオープンストリートマップのもくもく会と合同でしたが、淡路に移ったタイミングで「オープン淡路」というオープンストリートマップに限定しない集まりに変わったので、そこと合同開催をしています。あまりLibreOfficeを広めることや、ユーザーサポートの役割は弱いのですが、たまに相談に来てもらえることもあるので、開催自体は続けていくつもりです。個人的にはLibreOfficeだけでなく、オープンストリートマップやオープンデータなどの話もしていることも多いです。

5月のオープン淡路とLibreOfficeの日の集合写真

展示会系は他のFLOSSコミュニティとの交流や、LibreOfficeへの貢献者を探す、LibreOfficeユーザーからのフィードバック、LibreOfficeコミュニティメンバのディスカッションや相談が目的です。2023年4月にオープンソースカンファレンスTokyo/Springが展示のみ現地で復活して、各地のオープンソースカンファレンス(OSC)がオフライン化しました。新型コロナの影響が出始めたのが2020年のTokyo/Springがキャンセルなので、2019年から4年ぶりでした(2020年1月のOSC大阪からだと3年ちょっとぶり)。東京は春、秋とも展示のみ、それ以外は展示とセミナー両方での開催です。4月は展示ブース側は予想以上にみんな集まってきて80ブース以上あったようです。地方開催では、展示側はそこそこ出していますが、まだコロナ前からみると、参加者がかなり少なめなのが課題です(過去のOSC開催一覧)。関西オープンフォーラム(KOF)は2022年からハイブリッドになっており、去年に続いてセミナーをしましたが、参加者はとても少なめでした。参加コミュニティはそこそこいるので目的はある程度達成できているので継続予定ですが、一般ユーザーへのリーチは弱くなっていると感じています。

オープンソースカンファレンス名古屋でのブースの様子。玉越さんのデモ中

また、イベントにはカウントしていませんが、毎週水曜22時-23時に日本語チームのオンラインでの公開ミーティングをしています。時々時間がある時には、動画の撮影や翻訳作業するケースもあります。Howto動画に関しては事前準備なしで撮影できるネタが切れてしまって、最近はできていません。(動画一覧

海外イベントのサマリー

グローバルのカンファレンスとしては年に1回のLibreOffice Conferenceが9月にルーマニアで開催。ヨーロッパの大型のFLOSSのイベントである2月のFOSSDEMでもLibreOfficeトラックがありました。今年はアジアのカンファレンスが10月にインドネシアで復活、というか2019年以来2回目が開催されました。毎年盛り上がっているラテンアメリカカンファレンスも11月にメキシコ(アステカの首都だったテノチティトラン)で開催されました。 それ以外にオフラインイベントは各地でだいぶ復活してきているようです。

LibreOffice Conferenceの集合写真
アジアカンファレンスの集合写真

個人的には、9月のLibreOffice Conferenceに、ベルリンのNextcloudカンファレンスと合わせて参加しました。去年に引き続いてカンファレンスで新型コロナに感染したため、途中からホテルでリモート参加(病院いったりしてあまりちゃんと参加できず)でした。Nextcloudカンファレンスと、LibreOfficeのカンファレンスのプレミーティング2日間はがっつり参加できたので、いろいろ相談したりディスカッションに参加はできましたが...。体調が完全ではなかったので、10月のインドネシアのアジアカンファレンスもキャンセルしました。インドネシアに行けなかったのは残念でした。

今後に向けて

12月のイベントが残っており、12/9(土)はオープンソースカンファレンス福岡にブース出展します。翌日はなにかやるかもしれません。12月のLibreOfficeの日は忘年会です。オンラインハックフェストもやります。

来年は、関西での勉強会などオフラインの企画を検討中です。OSCやKOFなどの展示会もいくつか参加予定です。また、アジアカンファレンスは台湾開催になると思います。LibreOfficeの活動する人向けに特化したイベント(もしくはインターンシップ)をできないかとは考えていますが、まったく未定です。よさそうな方法があれば教えていただけるとありがたいです。ぜひ、今後もLibreOfficeのイベントにご参加ください。