「StreetComplete」と「Every Door」でお散歩中にお手軽マッピング
この記事では、私が散歩中にオープンストリートマップ(以下OpenStreetMap/OSM)を編集するために使っているStreetCompleteとEvery Doorを紹介します。これは、OpenStreetMap Advent Calendar 2023の4日目の記事です。
在宅で仕事をしているためできるだけ毎日散歩するようにしていますが、そのついでにOpenStreetMapを少し編集するようになりました。しっかりマッピングするというより、位置ゲームのような感じです。StreetCompleteはクエストという形で質問があり、回答をタップして選んだり、数字を入れるだけで入力できるので、散歩のお供に最適です。一方でお店などのPOIを入れたり修正したい場合もあり、POI編集に特化したEvery Doorも併用しています。
StreetCompleteについて
質問に回答する形でOpenStreetMapにデータを入れるオープンソースのAndroidアプリです。iOS向けはありません。
現在地の付近にあるデータのうち、不完全なものを拾ってきて質問してきます。たとえば「Tag:building=yes」だけで種類を入れてない場合「家」のアイコンが表示されます。それをタップすると「これはどんな建物ですか?」と聞かれるので一覧から選択します。それだけでOpenStreetMapのサーバーに情報が送られます。歩いているうちに付近の「住所の番地、道路の路面、開店時間、駐車場の種類、交差点の種類」などいろいろと質問のアイコンが表示されてきます。
最初に、OpenStreetMapのアカウントを紐付けします。右上のハンガーバーメニュー→「プロフィール」で「ログイン」ボタンを押して、OpenStreetMapのアカウントでログインしておきます。
とりあえず目についたものに回答すればOKで、あまり考えることもなく楽です。一定数クエストをこなすとバッジが表示されたりしてゲームっぽい作りになっています。今までのこなしたクエスト数や、今週のクエスト数がみえるのも励みになります。右上のハンガーバーメニュー→「プロフィール」で、ランクやこの7日間のクエスト数、最近マップした日(githubの草みたいなやつ)が表示できます。
表示するクエストを設定することもできます。右上のハンガーバーメニュー→「設定」→「クエストの選択と表示順」を選びます。同じ場所で複数クエストがあると優先順位の高いものから聞いてきますので、優先したいものをリストの上に持ってくるといいです。とはいえ、私はほとんどデフォルトで使っています。
使うきっかけ:以前から名前は聞いたことはありましたが、マッパーでもあるNextcloudのJan Borchardtに教えてもらってインストールして使いだした記憶があります。たぶん2020年1月のNextcloudミートアップ直前に、晩ごはんにラーメン屋さんに行った時だったはず。ちなみに会場をお借りしたGeorepublic JapanさんはOSMを使ったアプリ開発などのビジネスもされていますね。
Every Doorについて
OpenStreetMapのPOIなどの編集に特化したオープンソースのアプリです。Android/iOSの両方でリリースされています。POI以外にも建物に対してもタグを追加・変更することができます。
最初に、OpenStreetMapのアカウントを紐付けします。左上のハンガーバーメニュー→「OSMアカウント」を選択してログインします。
以下のような流れになっています。
- 左下の下矢印ボタンをタップして、その付近のデータをダウンロード
- 編集
- 左下が上矢印ボタンになっているので、タップしてアップロード
ダウンロード、アップロードが手動でコントロールできる点は便利です。マッピングパーティで隣の人がアップしたデータをすぐに取り込むこともできます。
先程の矢印ボタンの隣に、「木」「カップ」「家」のアイコンが並んでいて、それぞれのアイコンが、郵便ポストや遊具などの小物系、お店、建物に対応しています。このアドベントカレンダーでも公園マップの話が予定されていますが、公園の遊具を表示するのは「木」のボタンです。このアプリで建物自体のポリゴンを書く方法はなさそうですが、既存の建物にタグを追加できます。
POIの追加方法は、右下の青いプラスボタンを押して、位置を調整して右下のチェックを押して、種類を選びます。選ぶ時にスクロールしてられないので検索で2−3文字入れると出てきます。必要な情報を入れて保存を押します。アップロードをお忘れなく。
なお、自販機の場合、サントリー、コカ・コーラなどメーカーごとにプリセットがあります。私は知らずに時間を無駄にしました。今年のGWに福知山にマッピングパーティに行った時に教えてもらいました。他の人がやっているのを見せてもらうと学びになります。
しばらく使っているとアプリの動作が重くなってくるのですが、キャッシュしているデータを削除すれば戻ります。左上ハンバーガーメニュー→「全てのダウンロード済データを削除」で消すことができます。
とにかくシンプルでPOIなどを扱うのに便利です。
使うきっかけ:以前はスマホでのPOIの編集する時はMAPS.MEを使っていました。MAPS.MEでバグなのかOSMアカウントにログインできなくなってしまい、その後OsmAnd、さらにはMAPS.MEのフォークであるOrganic Mapを使っていました。どれも地図アプリがメインで、おまけとして編集機能がついているため、編集効率が悪かったです。アプリを探している時に坂ノ下さんに教えてもらって、その1−2日後にState of the Map 2022の作者のトークを聞ききながら(日本からリモート参加して見てました)インストールした記憶があります。
- OSM WikiのEvery Doorページ
- Every Door公式ページ:簡単な解説動画あり
まとめ
散歩ではStreetCompleteで入力可能なものを入れつつ、気になったところだけEvery Doorで入れるようにしています。がっつり店を登録などの場合はEvery Doorに集中しています。ゲーム感覚で行きあたりばったりで入れているので効率は悪いのですが、逆にそれが継続できる理由のようにも思います。やりすぎると、立ち止まってしまって散歩にならないのが問題です。また、歩きながらや、ずっと立ち止まっていると危ないので、周りに注意するようにしています(つまずきかけたりとか、あります)
先日、地図に載っていない公園を探そう!というマッピングパーティに参加してみましたが、OSMを全然知らなかった人でもアカウント設定さえ終われば(そこはフォローが必要ですが)、Every Doorにあっという間に慣れてスイスイ遊具の登録をされていました。
StreetCompleteやEvery Doorに興味を持たれたらぜひ触ってみてください。また、ご自身のマッピングスタイルには合わなくても、散歩のお供に使いたい人が身近にいれば、おすすめできるかもしれません。