LibreOffice Drawで年賀状の裏面をデザインしよう!
これはLibreOffice Advent Calendar 2019の20日目の記事です。昨日はあわしろいくやさんの 【再告知】LibreOffice 6.4ではデフォルトのフォントが替わりますでした。
年賀状を作る時期もだいぶ過ぎてしまいましたが、私がLibreOfficeのDrawで年賀状の裏面をどう作っているか、ツールの使い方を紹介します。年賀状の裏面を自分でデザインする場合、様々なソフトウェアが利用できます。オープンソースのベクター形式編集ツールではInkscapeが有名です。私もInkscapeで作ったこともありますが、ここ10年以上LibreOfficeのDrawで作成しています。なお、宛名などのおもて面はWriterの差し込み印刷などを使わず、あえて手書きしてます。
Drawは簡易なデザインに適したベクター形式を編集するドローツールです。WriterやCalc、Impressで利用する図形を作成したり、チラシなどを作ることに適しています。 Drawのさらなる使い方についてはJA福岡市で出されているDrawマニュアルも参考になります。
フォントの選択
フォントによって雰囲気が大きくかわります。年賀状に向いたフォントを使ってみるといいでしょう。 自由なラインセンスのフォントは多くはないですが、個人利用であれば無料で使えるものも含めて探してもいいと思います。 私は、「衡山毛筆フォント」と、字数制限ありますが無料な「白舟楷書年賀フォント」「白舟楷書教漢フォント」を利用しています。
衡山毛筆フォント
自由に使える毛筆フォントとしては定番だと思います。
Webからダウンロード可能です。私が普段利用しているDebianではパッケージ化されているためaptでインストールしています。
どうやって作られたかのインタビュー記事をよみましたが、1人で半年かけて14,000文字を作られたとか凄いです。
白舟フォント
年賀状向けの「冬・年賀状フォント」と、「白舟書体教育漢字版」の「白舟楷書教漢」を使っています。公式Webからダウンロード可能です。 以前はもう少しもう少し毛筆系も選んでみたのですが、近況報告を年賀状に書いてしまうので、読みやすい「白舟楷書教漢」にしています。このあたりは好みでしょう。
フォント参考サイト
- 2019年用、日本語のフリーフォント377種類のまとめ -商用サイトだけでなく紙や同人誌などの利用も明記
- フォントフリー - 無料の日本語フリーフォント投稿サイト
- 【無料】日本語が使えるフリーフォント85選【商用利用可】
用紙サイズの設定
まず用紙サイズを「ハガキサイズ」に設定します。
- Drawを起動したら、メニューから[ページ]-[プロパティ]を選択する
- ページ設定ダイアログの「ページ」タブの「用紙サイズ」で「ハガキ」を選択する
- 「余白」を左右上下とも「0.00cm」にする(ふちなし印刷したい場合)
- 「OK」をクリックする
他の方法としては、サイドバーのプロパティで、ページの書式を「ハガキ」にしてもいいです。
写真を挿入する
写真を使うケースも多いでしょう。私はLibreOffice Conferenceに毎年参加しますので、撮ってきた街の写真を使っています。
必要に応じて、画像を切り取ったり加工する作業はGimpがお勧めです。Drawではトリミングしかできません。
Drawでも一応レイヤー機能があります。どのレイヤーにオブジェクトを配置しているのかわかりにくい課題はありますが、それなりに便利です。 レイヤー操作は画面下部ので行います。初期は「レイアウト」「コントロール」「寸法線」です。画像用にレイヤーを作ってみます。
- 「寸法線」の右側で右クリックして、「レイヤーの挿入」を選択する
- 「レイヤーの挿入」ダイアログで、名前をつける。例えば「画像」とか
- OKをクリックする
レイヤーごとに、見える状態にする、印刷可能、ロックするの3つのチェックボックスがあります。
続いて画像を挿入します。
- メニューから[挿入]-[画像]を選択する
- 「画像の挿入」ダイアログで選択する
画像を希望するサイズに拡大縮小したり、位置に配置します。画像を一番下になるようにする場合、以下のようにします。
- 画像を選択状態で右クリック
- [配置]-[最背面へ移動]を選択する
画像レイヤーの「ロックする」のチェックを入れておくと間違って動かしてしまうことがなくなります。
赤い背景を置く
半分くらいを赤い背景を敷き詰めてベタに正月感を出してます。 弱点はベタすぎることと、インクをたくさん使うことです。
背景用レイヤーを作ります。
- 先ほど作成した「画像」の右側で右クリックして、「レイヤーの挿入」を選択する
- 「レイヤーの挿入」ダイアログで、名前をつける。例えば「赤背景」とか
- OKをクリックする
左側にある「図形描画」ツールバーで、「長方形」をクリックして用紙をはみ出すくらいの長方形のオブジェクトを描画します。 写真部分は隠れないように調整します。
- 長方形オブジェクトを選択状態のまま、右側にあるサイドバーで、プロパティを選択する
- 「塗りつぶし」で「色」が選択されているので、その下のパレットをクリックして色を選択する Custom Colorで設定することもできます。私は16進数で「ff1923」になっていました。
- 「線」で形状を「なし」を選択する
「赤背景」レイヤーも「ロックする」のチェックを入れておくとよいでしょう。
文字列を配置する
文字用レイヤーを作ります。
- 先ほど作成した「赤背景」の右側で右クリックして、「レイヤーの挿入」を選択する
- 「レイヤーの挿入」ダイアログで、名前をつける。例えば「文字」とか
- OKをクリックする
謹賀新年などのメインの文字を入れます。
横書きの場合はメニューから[挿入]-[テキストボックス]を選択する、もしくは、上部の標準ツールバーの「テキストボックスの挿入」ボタンをクリックして、ドラッグして範囲を指定して文字をタイプします。 縦書きの場合は、標準ツールバーで右クリックして「縦書きテキスト」を選択し、ドラッグして範囲を指定して「謹賀新年」などの文字をタイプします。 右のサイドバーで、プロパティを選択して、文字のフォントやフォントサイズを選びます。「衡山毛筆フォント」の「46」ポイントを選びました。影の切り替え」ボタンを押して影を作っています。影はオブジェクトを重ねるなどの方法もあるでしょうが、Drawの機能でつけてみました。フォントの色は黄色(#FFFF00)を選びます。
続いて本文を入れます。縦書きテキストボックスで「明けましておめでとうございます」などを入力します。フォントの色は「白」を選択します。
印刷する
Drawからそのまま印刷できます。メニューから[ファイル]-[印刷]を選択して、オプションなどをチェックして印刷します。ポストカードに1部試し刷りして、問題なければインクジェット用年賀状用紙に印刷しています。 なんらかのトラブルが発生した場合、一度PDFにエクスポートしてから印刷する方法もあります。