「LibreOffice認定移行プロフェッショナル/認定プロフェッショナルトレーナー」に申請する方法
この記事では、The Document Foundation(TDF)のLibreOffice認定プログラムにおける、「移行プロフェッショナル」や「プロフェッショナルトレーナー」の申請方法について説明します。人に説明しようとして、長くなりそうだったのでブログに書くことにしました。
2019年5月25日(土)か5月26日(日)に東京で、日本で初めて認定のインタビュー(面接)をすることを予定しています。ヨーロッパから認定委員のうち1名が来日する予定です。認定の対象にあてはまりそうな方は、インタビューに間に合うように今のうちにへご応募ください。
前提条件の文書を読んでも該当するかわからない方は、certification@libreoffice.orgまで英語で問い合わせてください。また、私に相談いただいても構いません。正式な回答はできませんが、私の理解している範囲でお答えしたり、詳しい人に聞いてみることはできます。
なお、説明には私見が入っています。正確に知りたい方は、TDFの公式文書をご確認ください。私は認定移行プロフェッショナルを取得していますが、その当時から申込ページの内容も変わっていますし、制度について完全に理解しているわけではありません。
LibreOfficeの認定制度について
LibreOfficeを支える財団であるTDFは、LibreOffice認定制度を持っています。最初は、LibreOfficeコミュニティで活動している開発者に対して行われていました。LibreOfficeの開発者はLibreOfficeのサポートベンダに所属する人も多く、サポートしている開発者がちゃんとしたスキルを持っていることをコミュニティ外に示す仕組みとして作られたのだと思います。その後、開発者以外にも、LibreOfficeを導入する組織をサポートする「移行プロフェッショナル」、「プロフェッショナルトレーナー」などに制度を広げました。認定制度は、LibreOfficeを導入したい組織にとって詳しい人をみつけやすくする、LibreOfficeコミュニティで活動している人たちが正しく評価されるようにする、といったことを通じてLibreOfficeのエコシステムを強化することが目的だと思います。認定を受けた人は、プロとしてスキルがあるだけでなく、LibreOfficeのアンバサダー(大使)であることが求められます。
前提条件
前提条件の文書に説明があります。私は以下のように理解しました。
- LibreOfficeへの移行やトレーニングについて、複数の経験がある
- LibreOfficeやFLOSSコミュニティで活動している
- まだ活動してない人でも、メンタリングを受けてLibreOfficeで活動したり、FLOSSなどの知識を示すなどでクリアできるらしい
- マイグレーションプロコトルやトレーニングプロコトルの内容を理解している
- 申請ページに触れてあったのでここに追記してみました
認定費用
いまのところ無料です。
申請方法(以下は申請フォームの説明です)
TDFのWebサイトにある申請フォームから行います。フォームについてはさほど難しくはないのですが、どの項目に何を書けばいいかはやや曖昧な気がします。
順を追って説明します。 テキストエディタなどに書いておいて、フォームに貼り付けるのがよさそうです。
事前に読むもの
- 前提条件の文書を読んで確認します
- 認定行動規範を読んで理解します
- マイグレーションプロコトルやトレーニングプロコトルの受ける方を読んで理解します。両方目を通しておくといいと思います(私はトレーニングプロコトルの存在を知らなかったので今回初めて読みました)
Name and Email Address
- Salutation:Mrs. / Mr.を選択
- Name*: 名前をローマ字で記入
- Surname*: 姓をローマ字で記入
- Email Address*: 連絡を受けるメールアドレス
Which Certification are you applying for?
- 受ける認定にチェックを入れます(Migration Professional, Professional Trainerの両方受けることも出来るのかも?)
- 前提条件を読んだことをチェックを入れます I have read the Certification Pre-Requisites*
Usernames and Activity within the LibreOffice/FLOSS community
ここはLibreOfficeやその他のFLOSSコミュニティでの活動を検証するのが目的です。私が受けた当時はLibreOfficeのみでしたが、いまは他のFLOSSコミュニティにも拡張されたようです。
- Username(s) within the LibreOffice/FLOSS community*
- LibreOfficeのシングルサインオンアカウントや、git、Bugzillaのアカウントなど活動が確認できるアカウント名を書きます。サイト名と一緒に書いた方が伝わりやすいでしょう。
- Activity within the LibreOffice/FLOSS community*
- LibreOfficeやFLOSSコミュニティでの活動内容について具体的に書きます。TDFメンバーの場合は、"TDF Member since 2014-04"のように書いてもいいようです(1つ上のボックスに書くのかもしれませんが、多少違ってても問題ないです)
- TDF Members for verification*
- TDFメンバーで、あなたがLibreOfficeやFLOSSプロジェクトへの貢献していることを知っている人を書きます。アカウント名で活動が確認できなかった場合、ここに書いた人に問い合わせが行くはずです。他の確認出来る方法を書いてもいいようです。
Professional Experience
- LibreOffice related Professional Experience*
- 認定委員会が判断できるように、LibreOfficeへの移行やトレーニングの専門家としての活動内容を詳細に書きます。プロジェクトごとに移行台数やトレーニングを受けたユーザー数、自分の役割を書きます。
- 移行計画書や相互運用性評価、トレーニングのスライドなど、関連文書は別途メールで送ります。
- Country of LibreOffice related Professional Experience*
- LibreOfficeの国に関する専門的経験とありますが、私にはよくわからないです。導入の政策決定や導入支援に関与したケースとかでしょうか
Languages
- Spoken language(s)*
- 喋れる言語を書くようです。よくわかりませんが、私なら、Japanese, English (a little) と書いて出してみます。
- Preferred language for Certification Review*
- 認定を何語で受けたいかだと思います。"Japanese"でよいのではと思います。誰が通訳するのか決まっていませんが、私の時は小笠原さんが通訳してくれました。英語で問題ない方は"English"と記入ください。
関連文書をメールで送る
- 移行計画書や相互運用性評価、トレーニングのスライドなど、関連文書は別途certification@libreoffice.org へメールで送ります。
- どんな物を送るといいかは、前提条件の文書の最後のページが参考になると思います。
以上、認定に申請する方法でした。不明な点や間違っている点があれば、私までご連絡ください。