Shinji Enoki's blog

LibreOfficeの話題を中心にする予定です

関西オープンフォーラム2018に参加しました

2018年11月9日(金)-10日(土)に大阪南港 ATCで開催された関西オープンフォーラム2018に参加しました。関西のオープンソースやITコミュニティが年1回集まるイベントで、今回で17回目になります。 オープンソースカンファレンスが京都と大阪で開催されるようになりましたので、オープンソースコミュニティについては年3回集まるともいえます。私はKOFの実行委員ではありますが、ブース要員の方が手薄なので、LibreOffice日本語チームと日本UNIXユーザ会のブース番をしました。アイクラフトのブースも関わっていますがそちらは他の人にお任せしていました。

f:id:shinji_enoki:20181110132944j:plainLibreOffice日本語チームブースの様子)

jusブースでは歴代会長を展示するという企画で、いろんな幹事が交代で番をしていました。古い機関紙やUNIXをコピーにつかっていたテープなども展示していました。1984年ごろの機関紙/etc/wallの創刊号に載っている逸話などを砂原先生から聞いたりして面白かったです。展示会で各社の実機があったので、その場でパフォーマンステストのプログラムを書いて、実行させてもらって比較して記事をかいたそうです。

セミナー企画では、アイクラフト枠でアフリカ人インターン3名がLibreOfficeについてのセッションを行いました。私はメンターとしてスライドをレビューとディオドネのスライドの日本語翻訳をしました。少し心配していましたが、3人とも堂々と落ち着いて話していてよかったです。ショーケース4の小さい部屋でしたが14名ほど(身内も何名かいましたが)来てくれました。

f:id:shinji_enoki:20181110143045j:plain(ディオドネのトーク中の様子)

続いて、LibreOffice日本語チームの枠では、近藤さんから「超珍グラフで学ぶ!図解表現のアンチパターン」と題した発表がありました。前半はLibreOfficeを導入する際のチェンジマネジメントについての話で、後半がチャートについてのアンチパターンでした。3Dグラフや縦軸のないグラフなどいくつかごまかし方のテクニックが紹介されました。奥村先生が時々指摘されているネタに近かったです。 サンプルを作るだけでも心が痛かったそうです。こういったごまかしを知って騙されないようにすると共に、自分では作らないようにしましょうというお話でした。

f:id:shinji_enoki:20181110153300j:plainLibreOffice日本語チームの近藤さんのトークの様子)

日本UNIXユーザ会(jus)は法林さんによる「平成生まれのためのUNIX&IT歴史講座 〜1990年代前半編〜」と題した発表でした。砂原秀樹さん、齊藤明紀さんというjus幹事をゲストに迎えてコメントを挟むスタイルで盛り上がりました。商用インターネット接続がなかった時代で、ネットワーク相互接続のためのUNIX Fairというイベントを行ったりしていたそうです。また、この時代は標準化が進んだ時代だそうです。いろいろ試してみることが重要で、試したものが生き残らなくても無駄ではないとのことでした。今の時代もAIなど混沌としていてこの時代に近いかもしれないとのお話もありました。

f:id:shinji_enoki:20181110160530j:plain(jusのセッションの様子)

また、ステージ企画といって、ブースエリアでの15分間のミニセミナーでは、アイクラフトの村上さんが今年9月にアルバニアで開催されたLibreOffice Conference 2018の報告をしてくれました。機内ビデオが凝っていたとか、小ネタを挟んだお話でした。(カンファレンスの様子については日経XTECHの記事もご覧ください)

KOFでは基本的にコミュニティや企業が自主的にセミナー企画を行います。今年も面白そうなお話がたくさんありましたが、ブース番などで動けずに見逃して残念でした。唯一聞きにいけたのは、平見知久さんによる「OSSで運用管理 〜インシデント管理・構成管理ツールOTRSとその界隈〜」でした。OTRSは問い合わせ管理などのチケットシステムとしては歴史があり、豊富な機能を備えています。ITILのどの部分をカバーしているかや、他のOSSの問い合わせ管理システムの紹介もありました。OTRSは次期バージョンからオープンソース版はしばらくリリースされないとのことで、利用するなら今のバージョンを使い続けることになりそうです。

実行委員会から講演をお願いしているセッションもあります。基調講演のようなものですが、毎年5−6個あるので講演会という名前をつけています。今年は6つありどれも面白そうでした。 若林健一さんの「CoderDojoの経験からみたコミュニティの未来」は私がいつも気にしているコミュニティをどう発展継続させるかというお話だったようです。楠正憲さんの「仮想通貨とブロックチェーン」はとても気になっていました。「保護者を巻き込んで情報モラル等を考えてみた」も大変盛り上がったようです。私はどの講演会も見に行く余裕がありませんでしたがあとでYoutubeに録画が公開される予定ですので、それを楽しみに待ちたいと思います。

f:id:shinji_enoki:20181109183018j:plain(金曜日の夜に行われた懇親会の乾杯の様子)

今年も様々なコミュニティや企業が集まって盛り上がりました。2日間で1000人くらいではないかとのことでした。参加者が減少傾向ですので今年はテコ入れしたかったのですがそこはうまくいきませんでした。実行委員が忙しい人がおおくて、準備が後手に回りがちでした。来年は早めに手を打って巻き返しをしたいと思います。

次はLibreOffice日本語チームや日本UNIXユーザ会として、関西では2019年1月のオープンソースカンファレンス大阪に参加します。また、他の地域では12月のオープンソースカンファレンス福岡にも参加します。